元隣家から頂いたホタルブクロです

今まで経験したことのないような暑さが続いています。
私が子供の頃は最高気温32度くらいがせいぜいだったと思うのですが…
今は被災された西日本の方々のことを思うと気の毒でなりません。
災害級だと言うこの暑さが早く終息してくれるよう祈るばかりです。

人は暑ければ汗をかいて体温調節をします。
そのとき働くのが自律神経です。恒温動物である人間は体温を一定に保つべく、脳から自律神経を介して身体に指令を出します。
ちなみに人間と同じように汗をかくのは馬くらいだそうです。
他の哺乳類は口でハアハアして熱を逃がしたり、舌をだらんと垂らしたり、毛細血管の集まった大きな耳をパタパタさせたり(ウサギ、ゾウ)と、あまり効率の良くない方法を取るそうですが、そもそも暑いときはじっとして休むことに徹するようです。

自律神経は体温調節をするだけではなく、心臓の働きや、血管の収縮、消化活動などの内臓の働き、呼吸、のどの渇き、排泄、睡眠など、作用は多岐に渡ります。
人の恒常性を保つために、自分の意思とは関係なく勝手に働いてくれていますが、逆に自分の意思ではほぼコントロールできないとも言えます。
身体の様子はいろいろな部分(足裏、耳、手、頭などの反射区や望診など)でも伺えますが、お腹は身体の緊張具合や寒熱などを判断するのに分かりやすく、また治療後の変化も捉えやすいところです。
おヘソの周りに硬さがあったり、肋骨の下のラインが詰まっていたり、お腹の上下で温かさに差があったりなど様々ですが、治療をするとその様子が変わってきます。
手足や頭、顔に鍼をしてもお腹が音を立てて動きます。
効果的なツボに鍼をすれば全身に変化が及ぶことが実感できます。
そして鍼をして身体が整うと、お腹は穏やかな様子に変化し、全身の症状も和らぎます。

鍼は筋肉や筋膜に直接作用して身体を緩めることもできますが、少し別の次元で自律神経にもなんらかのスイッチを入れて身体の深いところに変化を及ぼしているように思います。
鍼で自律神経が整うと言われる所以なのかもしれません。
身体の変化を見ていると、自律神経が整うということは、気の巡りが良くなるということの一部であり、視点は違っても対象として見ているものは同じなので、同じ身体の状態を表現しているように感じます。

自律神経が整ってお腹がいいお腹になれば、基本的な根っこの部分は患者さん自身の身体に任せれば大丈夫だと信じつつ、治療をしています。

(2018年7月25日投稿記事。旧ホームページよりお引っ越し)