緊急事態宣言が出されてまもなく3週間が経ちますが、コロナの勢いは依然衰える様子を見せません。報告されている病状の経過では、潜伏期間を経て発症し約7日間症状が続き、8割の軽症者はそのまま快方に向かうが、2割(あまりにも多過ぎます…)の重症者は入院を要する状態になってしまう、とのこと。(日本プライマリ・ケア連合学会)
素問・熱論31でも熱病、つまり当時の疫病について書かれています。
巨陽(太陽)→陽明→少陽→太陰→少陰→厥陰、と病は一日ずつ進み、五臓六腑にまで侵入すると死に至り、両感の病(陰経脈と陽経脈が共に病む)でなければまた巨陽から順に収まっていく、とあります。また、寒邪の勢いが強烈で両感の病を受けた場合は、巨陽と少陰→陽明と太陰→少陽と厥陰と進み、更に3日後死に至る、ともあります。
熱病について書かれた篇は他にいくつもあることからも、突然蔓延する熱病といかに闘うかということは当時非常に重要なテーマだったことがうかがえます。熱病の刺法もありますが、当時激しい病勢の前になす術は無かったでしょう。
去年「熱病」というタイトルのブログで、古典で「これは死症である」などと書いてあるのはピンと来ないが現代なりの捉え方をして理解する、と書きましたが、その時はまさかこの現代で命の危険を感じるような事態になるとは夢にも思っていませんでした。
去年のブログでも書いた通り、素問・評熱病論33にも治癒に至るには「汗をかくこと」が必要であるということが説明されています。カゼをひいたとき、ぐっしょり汗をかいたらサッパリしたという経験は誰しもありますよね。汗をかいた後熱がぶり返さず、脈から荒々しく盛大なのがとれれば良いとのことです。汗者精氣也、汗は精気(が出すもの)である、と。
今ほどウイルスに抗う力を高めておかなければならない時は無いのは明らかです。丁寧に暮らす毎日の積み重ねを大切にしたいと思います。